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高齢になった親の遺言書を作りたいと思っている方へ

「2,3年前から認知症で...」 「持病でずっと入院していて...」 高齢の親を心配して、遺言書を作りたいという相談を多く受けます。 もちろん高齢の親本人も将来を考えて遺言書を作りたいという気持ちがあるでしょう。 しかし遺言書を作成する時に、遺言者本人に意識があり、遺言書の内容をきちんと判断・理解できる意思能力が無ければ、遺言書は作成することが出来ません。 もし、意思能力が無い状態で遺言書を作った場合、この遺言書は無効となり、相続時の争いの元になります。 また、遺言書は他の法律行為の様に子や親族が代理で作成する事もできません。   私の事務所では、遺言者本人が亡くなった後、相続人同士で問題なく相続手続きを進められる場合、無理して遺言書を作るのではなく、相続手続きの際に多少の事務手続きは増えますが、相続人同士で協力して相続手続きを進める事を提案しています。 入院中の遺言者本人が少し元気な時に無理して遺言書を作ったとしても、遺言者本人が亡くなった後、遺言書の作成に関わらなかった相続人がその遺言書に疑問を持ち、争いが起こる可能性もあります。 相続時にトラブルが起こると分かっている場合は、早め早めに遺言書や他の方法で相続時の問題を回避するようにしましょう。 法律相談できる弁護士、司法書士、行政書士事務所にも早めに相談に行くことをお勧めしています。 📒 参考 📒 民法(遺言能力) 第961条 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。 第962条 第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しない。 第963条 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。

不動産の相続登記が義務化されます。

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 令和6年4月1日より不動産を相続により取得した場合、法務局への相続登記申請が義務化されます。 これまで、相続手続きについて「いつまでに」という期限はありませんでした。 しかし近年の「空き家」や「所有者不明土地」などの社会問題解決の為、令和3年に法律が改正され、来年より規制が始まります。 👆ポイント👆 ①相続により不動産を取得した事を知った時から 3年以内 に法務局へ相続登記の申請する。 ② 令和6年4月1日以前 に相続により 不動産を 取得した場合 も 対象となる 。 ③複数いる相続人間の話し合いが長引く場合は「 相続人申告登記 」をする。 上記ポイント②は特に注意が必要です。 義務化が始まる令和6年4月1日以前に不動産について相続が発生している場合、 令和9年3月31日までに 法務局へ不動産の相続登記を申請する必要があります。 また、正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。 📒参考📒 不動産の相続登記の義務化につて (簡易版、法務局HPより) 不動産の相続登記の義務化につて (法務省HPより)

遺言書についてよくある質問③ ~用紙について~

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「遺言書」と聞いて、どんなシーンが思い浮かびますか? 大富豪が亡くなり、専属の弁護士が親族の前で重々しく 「 遺言書 」 と達筆に書かれた白い封筒を取り出し、三つ折りにされた書類を封筒から取り出す。 そんなシーンが思い浮かびませんか? 昔のサスペンスドラマのワンシーンです。 最近では、書店でも「遺言書の書き方」といった本も多く販売され、遺言書は身近なものになりました。 ですが、サスペンスドラマに出てくる遺言書のイメージもまだまだ残っています。 そのせいか、 遺言書の作成について「遺言書はどんな用紙に書けばいいの?」という質問を受けることもあります。 直筆証書遺言書は、民法第968条に記載された様式で作成すればよく、実際の用紙などに決まりはありません。 直筆証書遺言書を作成するポイントは以下の3つです。 👆ポイント👆 ①財産目録以外の全文を直筆で書く。 ②作成した日付を書く。 ③遺言者を特定できる氏名を書く。 そして、作成した直筆証書遺言の偽造や内容の漏洩を防止する為に、封筒に入れ、封をして保管しましょう。 ※法務局での直筆証書遺言保管制度を利用する場合は封筒に保管する必要はありません。 📒参考📒 民法第968条(自筆証書遺言) 1 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。 3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

市役所の相談窓口を利用してみてください

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生活でのトラブルについて誰かに法律的なアドバイスを聞いたり、 相談したいと思った時、あなたはどうしますか? インターネットで法律事務所などを調べますか? 近所にある法律相談できる行政書士事務所、司法書士事務所、弁護士事務所に行きますか? インターネットで検索すれば、様々な法律事務所や相談窓口が出てきます。 しかし、営利目的の業者やサイトも多く存在します。 慣れない生活でのトラブルについて、お金を払って専門家に相談に行っても、その場で解決できるとは限りません。 まずは市役所など公的機関で設置されている相談窓口を利用してみてください。 市役所には、市民の方が利用できる様々な相談窓口が用意されています。 例えば枚方市役所では、   市役所職員による  生活相談   弁護士・認定司法書士による  法律相談   人権擁護委員による  人権相談   交通事故相談員による  交通事故相談   司法書士による  登記相談   行政書士による  遺言書・内容証明作成相談   司法書士による  成年後見相談   民事調停委員による  民事調停手続き   行政相談委員による  相談国の行政相談 など様々な問題に対応した専門家による相談窓口が用意されています。 さらに、税務署や法務局でも市民向けの無料の相談窓口を設置しています。 また市役所だけではなく、各士業団体(行政書士会、司法書士会、弁護士会など)も無料相談会を多く開催しています。 相談窓口、無料相談会を利用するメリット ・時間制限はありますが、無料で相談できる。 ・相談内容によっては、相談窓口から直接問題を解決できる機関を利用または紹介してもらえる。 ・自分で探さなくも専門家に相談できる。 相談窓口や無料相談会を利用する上での注意点 ・各機関の公式ホームページや市区町村発行の広報誌に記載の相談窓口や無料相談会を利用しましょう。 ・多くの相談窓口が事前予約制です。必ず予約してから行きましょう。 ・相談時間が限られるため、相談したい事、聞きたい事などをメモ帳などにまとめてから行きましょう。 📒 参考 📒 枚方市役所での相談窓口 (枚方市ホームページより) 法務局での相談窓口 (大阪法務局ホームページより) 税務署による相談窓口 (国税庁ホームページより) 大阪府行政書士会 枚方支部による無料相談会 (大阪府行政書士会 枚方支部Twi